ミサワホームは、すぐれた耐力壁である木質パネル同士を、高分子接着剤やスクリュー釘、接合金物によって強固に「面接合」し床面・壁面・屋根面からなる6面体を形成する、独自開発の「木質パネル接着工法」を採用しています。さまざまな外力が構造の一点に集中せず、建物の“面”全体に分散してバランスよく受け止めることで高い強度を実現する、理想的な「壁式構造」の建物です。これに対して、木や鉄の柱・梁により構成される「軸組み工法」などは構造部材を“点”で接合するため、外部からの荷重が接合点に集中してしまい、接合のズレや破損などが生じやすくなります。 |
面接合と点接合の荷重の受け方の違い(概念図) |
床面・壁面・天井面を強固に接合した一体構造を実現 |
木質パネル同士を面接合した壁面を、床面と接合 |
「モノコック構造」とは、ジャンボジェット機などと同じ一体構造のことで、どの方向から荷重がかかっても全体に分散して受け止めるため、部分的なひずみやくるいが生じにくく、素材の強さを最大限まで発揮できます。ミサワホームの「木質パネル接着工法」は、構造耐力上、画期的な工法です。工場で均一に生産された高精度の木質パネル同士を面接合することで、強固な「モノコック構造」となります。
強固なモノコック構造により、台風の影響で基礎の土砂を半分削り取られても建物本体は原形を保ったミサワホームの建物(1974年:多摩川決壊) |
モノコック構造のジャンボジェット機 |
住宅の床面は、人や家具などの荷重を支えるだけでなく、地震などの外力に効果的に抵抗するために大きな役割を果たします。壁だけが強くても床面などが弱ければ、建物は外力によるねじれに効果的に抵抗できず、変形しやすくなります。逆に、床面が強く、その床面と壁面の接合が強固であれば、建物がねじれにくくなるだけでなく、地震などによる水平荷重を建物全体に効果的に分散させることが可能になります。接着接合によるミサワホームの床パネルは、他の工法の床面と比べて外力による変形量がきわめて少なく、非常に高い剛性を備えていることがグラフからもわかります。この床が、壁・屋根と一体となった「モノコック構造」となるため、住まい全体で外力に抵抗することができるのです。
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住宅の工法には様々な種類があります。下のイラストはすべて「壁式構造」、つまり壁の強さ(耐力壁)で建物を支える構造ですが、なかでも「ツーバイフォー工法」や構造用合板を外周壁に用いる「在来工法」(図・最下部)などは「木質パネル接着工法」のミサワホームと同じ「モノコック構造」といわれます。「モノコック構造」とは本来ジャンボジェット機のように骨組を使わずに「面」自身に強度を持たせた構造のことを言いますが、建物においては「面(壁・床・屋根)」自体の強さと「面」同士の接合方法によって同じ「モノコック構造」でも強度に大きな差が生じます。ミサワホームでは芯材に合板を接着接合した高強度の木質パネルを採用。木質パネル同士は接着剤とスクリュー釘などでしっかりと接合し、強固な「面」を構成します。
さらに壁面・床面・屋根面同士は、接着剤や接合金物などを併用しすべての面を箱状に一体化。このように、高強度の木質パネルと高い接合技術の「木質パネル接着工法」によるミサワホームの建物はまさに「真のモノコック構造」といえるでしょう。 |
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●構造体は木材。
●芯材と構造用合板を接着剤により貼り合わせたパネルを工場生産し施工現場で接着剤・スクリュー釘などで一体化。
●釘・金物と接着剤の併用で6面体の一体構造を形成。
●外力を建物全体で受け止める 分散荷重方式で、強度は抜群。 |
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●構造体は主に軽量鉄骨。
●鉄骨の柱や梁に外壁パネルを取り付ける。
●ブレース(筋交い)を入れた耐力壁により、建物を支持する。
●錆への対処を怠らなければ耐久性もすぐれる。 |
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●構造体は木材。2×4インチサイズの角材を使用。
●柱を一切使わず、枠材に構造用合板を釘で固定、床・壁・屋根を一体化させる。
●規格材の種類が少なく、釘打ちが基本なので施工は比較的簡単。 |
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●構造体は木材。
●柱や梁・筋交いなどの骨組みで荷重を支える。
●筋交いによる耐力壁のほかに、構造用合板を用いて「面」で支える工法も増えている。
●柱や梁を露出させた「真壁」と、仕上げ材で覆う「大壁」の2種 類に大きく分けられる。 |
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